BFRトレーニングと免疫の関係は

BFRトレーニングと免疫の関係は

シリアスなトレーニーがこの時季にもっとも悩むのは「免疫の低下」ではないでしょうか。ハードにトレーニングして得た筋肉が、風邪やインフルエンザのせいで一気に減ってしまうのは耐え難いものです。

一般に、軽いトレーニングは免疫を高めてくれます。しかしある程度ハードになると、一気に免疫は低下してしまいます。
マウスを風邪に罹らせた実験では、運動しなかった群は半分強が風邪で死にました。そして軽い運動をしていた群は12%しか死にませんでした。しかしハードな運動をしていた群は、70%も死んでしまったのです。生き残ったマウスも、かなり酷い状態だったようです。(※1)

BFRトレーニングの場合、使用重量は軽く、トレーニング時間も短いため、免疫の低下は起こらないように思えます。さて、実際はどうでしょうか。

膠原病である多発性筋炎や皮膚筋炎の患者を対象に、12週間に渡ってBFRトレーニングを行ってもらった研究があります。(※2)
これらの患者は自然に筋力が低下していくため、ウェイトトレーニングを行うことでそれを防ぐことが可能となるはずです。しかし実際に一般的なウェイトトレーニングを行って筋力の低下が認められたという報告は非常に少ないのです。

多発性筋炎や皮膚筋炎は自己免疫疾患であり、患者は治療に副腎皮質ステロイドを使います。また免疫抑制剤も使うことがあります。そのため、ウェイトトレーニングは免疫の低下を引き起こしてしまうため、あまりハードには行えないという問題もあります。

さて、BFRトレーニングの結果です。12週間に渡るBFRトレーニングの結果、レッグプレスは19.6%、ニーエクステンションは25.2%の増加。また椅子から立ち上がって自力で歩いていくテストも驚くべき伸びを示しました。大腿四頭筋の筋肉量も4.57%の増加です。
そして副作用なども、まったくありませんでした。

また80%1RMの重量でニーエクステンションとバイセップスカールを行った群と、同じエクササイズを30%1RMでBFRトレーニングを行った群で、免疫細胞の状態を比較した研究があります。(※3)
その結果、80%1RM群は徐々にNK細胞の活性が低下していったのに対し、BFRトレーニング群は活性低下が起こりませんでした。研究者たちは、「血流制限による末梢の低酸素状態が、免疫低下を防ぐのだろう」としています。

風邪やインフルエンザでトレーニングできないのはツライですが、そんなときも軽いBFRトレーニングだったら、治りを遅くするようなこともなく、筋力・筋肉量維持に効果的となるかもしれません。


※1:
Exercise stress increases susceptibility to influenza infection.
Brain Behav Immun. 2008 Nov;22(8):1152-5. doi: 10.1016/j.bbi.2008.06.004. Epub 2008 Jun 21

※2:
Safety and possible effects of low-intensity resistance training associated with partial blood flow restriction in polymyositis and dermatomyositis.
Arthritis Res Ther. 2014 Oct 25;16(5):473. doi: 10.1186/s13075-014-0473-5.

※3:
Acute response of peripheral CCr5 chemoreceptor and NK cells in individuals submitted to a single session of low-intensity strength exercise with blood flow restriction.
Clin Physiol Funct Imaging. 2015 Jan 29. doi: 10.1111/cpf.12231.


山本 義徳

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