トレーニングベルトはギュウギュウに締めるのに・・

トレーニングベルトはギュウギュウに締めるのに・・

腕や脚をベルトで軽く締めて血流を制限するBFRトレーニング。これを「危険だ!」と言って批判する人がいる。しかしそういう人もスクワットやデッドリフトをやるときには、トレーニングベルトをギュウギュウに締めていたりするから面白い。

ちなみにBFRトレーニングにおいては締め付ける強さも弱く、時間も短い。その安全性に問題がないことは、これまでに何度もエビデンス付きで紹介している。(※1、※2、※3)

ではトレーニングベルトについてはどうか。幅広で固いトレーニングベルトをレバーアクションまで使って無理やり締めているシーンはジムで良く見受けられる。中には強く締めすぎて肋骨を折ってしまうこともあるそうだ。
もちろんこれはやり過ぎだが、実はベルトを強く締め付けることで血圧が急上昇してしまうことが知られている。(※4、※5)

血圧上昇という危険性があるのに、なぜトレーニングベルトをするのか。一般には「腹圧を高めて腰を保護するため」と思われている。しかしかなり多くの調査によって、トレーニングベルトをしても腰の保護にはあまり役立たないことが判明しているのだ。(※6、※7、※8、※9)

トレーニングベルトをする本来の理由。それは「より強いパワーを発揮するため」である。ベルト無しでも腹圧を高めることはできるが、外部からの力を使ったほうが強力になり、体軸が安定する。また腹圧に対する意識とエネルギーを他に向けることができる。

ベルトをしてもあまり変化が無かったという報告もあるが(※10)、60%1RMでスクワットを行ったところ、ベルトをしたほうがEMGが高かった(※11)という報告や、スクワットの速度が速くなったという報告(※12、※13)があり、実際、トレーニングベルトをすることで発揮できる筋力が高まったという体感を持つトレーニーは少なくないことだろう。

高重量を扱うベテラントレーニーほど、ベルトをすることの意義は大きくなる。スクワットやデッドリフトにおける使用重量は、かなり違ってくるはずだ。

とはいえ、トレーニングベルトに頼り過ぎるのも良くない。自分で腹圧をかけることも重要である。筆者としては、「アップのときはベルト無し、本番で高重量を扱うときだけベルトをする」ようにすることをお勧めしたい。



※1:BFRトレーニングと血圧の関係は
http://www.berserker.jp/column/show/140

※2:Ischemic PC とBFRトレーニングの関係は
http://www.berserker.jp/column/show/131

※3:BFRトレーニングと血管の健康の関係は
http://www.berserker.jp/column/show/114

※4:
The Effects of a Weight Training Belt on Blood Pressure During Exercise.
The Journal of Strength and Conditioning Research (Impact Factor: 1.86). 01/1989; 3(1).

※5:
Wearing an abdominal belt increases diastolic blood pressure.
J Occup Environ Med. 1996 Sep;38(9):925-7.

※6:
An evaluation of a weightlifting belt and back injury prevention training class for airline baggage handlers.
Appl Ergon. 1992 Oct;23(5):319-29.

※7:
Effectiveness and cost-effectiveness of employer-issued back belts in areas of high risk for back injury.
J Occup Med. 1994 Jan;36(1):90-4.

※8:
A prospective study of back belts for prevention of back pain and injury.
JAMA. 2000 Dec 6;284(21):2727-32.

※9:
The effect of back belts on lumbar muscle fatigue.
Spine (Phila Pa 1976). 1995 Jun 1;20(11):1271-8; discussion 1278.

※10:
The effect of back belt use on isometric lifting force and fatigue of the lumbar paraspinal muscles.
Spine (Phila Pa 1976). 1998 Oct 1;23(19):2104-9.

※11:
The use of Lumbar-Supporting Weight Belts While Pe


山本 義徳

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