最適のインターバルは?

最適のインターバルは?

トレーニング書をひもとくと、最適のレップス数やセット数、トレーニング頻度については解説されているのに、インターバルについては特に指定されていないことが多い。
短めのインターバルで行うと成長ホルモンの分泌が多かったという研究結果から、スクワットなどでも1分くらいのインターバルで行うことが推奨されることもある。しかしハードコアなトレーニーにとっては、それはちょっと現実には厳しいと感じられるだろう。

脂肪燃焼ではなく、筋肥大や筋力強化のためには、どれくらいのインターバルが最適なのか。

さて、そもそもインターバルは何のために取るのであろうか。インターバルが必要なのは、1セットより多くのセットを行う場合である。なお、もちろんここでは「同一種目を行う場合」の話をしている。

1セット以上行う理由。それは筋肉により強い刺激を与えるためである。刺激は物理的刺激と化学的刺激とに分けて考えることができる。
より強い物理的刺激を与える場合、使用重量を増やす必要がある。そのためには、インターバルは十分に休み、回復させねばならない。軽い重量かつ短インターバルで行う場合、モーターユニットの動員は減少してしまう。

化学的刺激を強くする場合、インターバルは短くして疲労物質をため込む必要がありそうだ。しかしバーンズが起こるまで追い込んだ場合、短インターバルでは結局レップスをこなせないため、疲労物質の量が多くなるとは限らない。ある程度インターバルを置いて回復させてから、またバーンズが来るまで追い込んだほうが多量の疲労物質を発生させられる可能性もある。
化学的刺激とは水素イオンやアンモニアなどの疲労物質発生の他に、酸素やATP、活性酸素の量的変化も指しており、これらの「ダイナミックな環境の変化」がポイントとなる。よりダイナミックな変化が起こるほど、化学的刺激も強くなるわけだ。つまり短インターバルで「常に」疲労させているよりも、一度は回復させてから疲労させたほうが変化量としては大きくなるということを考えねばならない。

つまりいずれにしても、セット間インターバルは、ある程度の長さを必要とするように思われる。
トレーニング未経験者を用いて1分間のインターバルと2.5分間のインターバルで比較した研究(※1)では、1分間のほうがトレーニング後のテストステロンやコルチゾルのレベルが高くなったものの、トレーニング期間が長くなるにつれて差が小さくなり、10週間後には両者の差がなくなっている。
そして筋断面積は1分群が5.1%の増加だったのに対し、2.5分群は12.3%の増加だった。

またトレーニング経験者にベンチプレスとレッグプレスを行わせ、インターバルが1分の群と3分の群、5分の群に分けて16週間トレーニングを行い、筋力を比較したところ、5分インターバル群が最大の効果であり、1分インターバル群が最低の効果だった。(※2)

このような結果から、1分間という短インターバルでのトレーニングは少なくとも筋肥大や筋力強化としては向いていないと思われる。小さい筋肉では2~3分、大きい筋肉では4~5分のインターバルを取るのが心肺機能の回復も含め、現実的だと言えるだろう。

※1:
The effect of resistive exercise rest interval on hormonal response, strength, and hypertrophy with training.
J Strength Cond Res. 2009 Jan;23(1):62-71. doi: 10.1519/JSC.0b013e318185f14a.

※2:
Strength increases in upper and lower body are larger with longer inter-set rest intervals in trained men.
J Sci Med Sport. 2010 Jul;13(4):429-33. doi: 10.1016/j.jsams.2009.08.002. Epub 2009 Oct 7.


山本 義徳

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