BFRトレーニングの新しい可能性

BFRトレーニングの新しい可能性

BFRトレーニングに筋肥大・筋力向上効果があることは、既に異論の余地はない。なおBFRトレーニングは一般的なトレーニングの効果をさらに高めるために利用されることが大半であるが、軽い重量で(マックスの20%程度の重量)効果が得られるため、リハビリ時に非常に有効である。

ではさらにケガの状態が悪い場合、つまりマックスの20%の重量でもトレーニングできないような場合は、どうすれば良いのか。

まったく動かせないような場合に有効とされるのが、電気刺激(EMS)である。EMSというとバカにする人も多いと思われるが、12週間のEMSプログラムによってエリートラグビー選手のスクワットやジャンプ能力が向上したという研究(※1)や、トレッドミル歩行とEMSを組み合わせることによって大腿部の筋肥大が見られたという研究(※2)など、普通のトレーニングにEMSを追加することで効果があるとする論文は意外に多い。

またEMSは速筋と遅筋の両方を刺激することが可能なため(20ミリ秒で速筋、65ミリ秒で遅筋を刺激可能)、ケガなどで動かせないときの筋萎縮を防ぐ効果が期待でき、(※3)リハビリの初期段階にも有効である。(※4)

そして最近になって、BFR(Blood Flow Restriction)と低刺激のEMSを組み合わせたところ、筋力と筋肉量が増大したという報告が出てきた。(※5)
2週間の間、週5回、一日2回のBFR+低刺激EMSを行ったところ、大腿四頭筋の筋肉量が3.9%増加し、アイソメトリクス筋力は14.2%増加した。低刺激EMSのみの場合、筋肉量も筋力もあまり増加しなかった。

今後はEMSとBFRの組み合わせがリハビリの世界で広まってくるかもしれない。それを追いかけるように、一般的なトレーニングにおいてもポピュラーになってくる可能性がありそうだ。



※1:
Effects of electromyostimulation training on muscle strength and power of elite rugby players.
J Strength Cond Res. 2007 May;21(2):431-7.

※2:
Muscle hypertrophy in quadriplegics with combined electrical stimulation and body weight support training.
Int J Rehabil Res. 2008 Jun;31(2):171-5. doi: 10.1097/MRR.0b013e3282fc0fa4.

※3:
Neuromuscular electrical stimulation. An overview and its application in the treatment of sports injuries.
Sports Med. 1992 May;13(5):320-36.

※4:
Electrical stimulation versus voluntary exercise in strengthening thigh musculature after anterior cruciate ligament surgery.
Phys Ther. 1988 May;68(5):660-3.

※5:
Effects of Electrostimulation with Blood Flow Restriction on Muscle Size and Strength.
Med Sci Sports Exerc. 2015 Jun 24


山本 義徳

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