完全休養日をつくろう!

完全休養日をつくろう!

筋肥大のメカニズムは超回復ではなく、ストレス応答であることは周知の事実となってきた。しかし、だからといって「休まずにトレーニングしてよい」わけではない。

「超回復なんてウソなんだから、毎日トレーニングするぜ!」という人もいる。しかしトレーニングはアナボリック作用だけでなくカタボリック作用も併せもっている。ラグビー選手を対象に試合後に血液検査を行ったところ、筋肉を分解するホルモンであるコルチゾルが急激に増加していたのだ。数値にして試合終了12時間後に56%、36時間後に59%の増加を示している。そして60時間後も34%増加したままであった。(※1)

このデータから考えると、ハードにトレーニングしたら2日間はオフにしたほうが良いことになる。
また筋タンパクの合成はトレーニング終了後48時間近くにもわたって起こっているため(※2、※3、※4)、同一筋群を毎日あるいは中一日で刺激するのは意味がない。

ウェイトリフターやベンチプレッサーは毎日トレーニングしていることも多いが、それはネガティブでの刺激が弱いから可能なのであり、また神経系の改善が主な目的であるため、そうしているのである。
さらに彼らはボディビルダーのように追い込んでやることは少なく、多くのセットにおいて余裕を持たせて行っている。本気でやるのは1~2セットであり、しかもその一種目だけ。つまり、コルチゾルの分泌も少ないわけだ。

ただし間隔を空けすぎると、アナボリックの刺激も減少してしまうことになる。故アーサー・ジョーンズは「一回に全身を鍛え、それを週に2回」行うことを提唱した。この方法なら同一筋群を中2~3日で刺激できるため、研究結果から考えて、確かにこれは理に適っている。

しかし多くのトレーニーにとって、一日で全身を刺激するというのは非現実的である。アーサー・ジョーンズはノーチラスマシンなら1セットで十分に刺激できるとしたが、それには納得しない人も多いだろう。

そこで筆者は「Y-Method 101」というDVDで、「二分割で週3回」という方法を紹介し、実際にこの方法を用い、NPCのコンテストで日本人として初のヘビー級優勝を遂げた。ちなみにトレーニング界に「メソッド」という言葉を持ち込んだのは筆者である。
ともあれ、この方法だと「A→休み→B→休み→A→休み→休み→B→休み→A・・」となり、同一筋群を中3~4日で刺激できる。一回のトレーニングは最小限に抑え、コルチゾル分泌もほどほどになる。

もちろんこれらはただの提案であり、誰もがこうしろ、と言っているわけではない。オーバーワークによって時間と体力を無駄にしているトレーニーが多すぎるため、このように提言している次第である。
どうもトレーニング効果が出ない、というトレーニーは、まずは「完全休養日を増やす」ことから始めると良いかもしれない。


※1:
Neuromuscular function, hormonal, and mood responses to a professional rugby union match.
J Strength Cond Res. 2014 Jan;28(1):194-200. doi: 10.1519/JSC.0b013e318291b726.

※2:
Changes in human muscle protein synthesis after resistance exercise.
J Appl Physiol (1985). 1992 Oct;73(4):1383-8.

※3:
Acute effects of resistance exercise on muscle protein synthesis rate in young and elderly men and women.
Am J Physiol. 1993 Aug;265(2 Pt 1):E210-4.

※4:
Mixed muscle protein synthesis and breakdown after resistance exercise in humans.


山本 義徳

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